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人生の財務が破綻する家計は、三大資金の「ボトルネック」を見誤っている——制約理論(TOC)で読み解く、住宅・教育・老後の全体最適
ビジネスの世界で名著とされる『ザ・ゴール』に登場する「制約理論(Theory of Constraints: TOC)」。製造ラインにおいて一部の工程だけをどれほど局所最適化しても、全体の生産量(スループット)は「最も能力の低い工程(ボトルネック)」によって決定づけられるという原則です。 工場のエンジニアや経営者であれば誰もが熟知しているこの鉄則が、個人の人生設計になると途端に忘れ去られます。 多くの家庭が直面する「人生の三大資金(住宅・教育・老後)」の破綻は、稼ぎが足りないから起きるのではありません。三大資金という直列の生産ラインにおいて、どこがボトルネックになるのかを見誤り、各工程の局所最適を重ねた結果、最終工程で致命的な「ラインストップ」を引き起こしているのです。 三大資金は「直列の生産ライン」である 世間一般のマネー相談では、三大資金がまるで別々の棚に置かれた箱のように扱われます。住宅は不動産会社、教育は塾や保険ショップ、老後は証券会社。それぞれの窓口が、自社の都合に合わせて「単体での正解」を語りかけてきます。 不動産会社:「今の年収なら

栗原 正明(CFP)
12 分前読了時間: 5分


保険も金融も悪ではない—独立系FPが胸に刻む「Learn Insurance, Finance and Ethics」の真意
「保険は無駄だからすべて解約しなさい」 「金融商品は手数料が高いから敵である」 近年、いわゆる“独立系FP”と呼ばれる業界の一部で、こうした極論を耳にすることが増えました。「商品を売らないこと=正義」「金融機関を叩くこと=中立」という構図を作り出し、顧客の味方であるポーズを取る。悲しいかな、それが手軽なポジショントークやセールストークとして横行しているのが、現在のFP業界のリアルです。 しかし、私は一貫して言い続けています。 「保険も、金融も、決して悪ではない」と。 「悪と言いたいなら、まず保険と金融をしっかりと学びなさい。それから言いなさい」と。 「悪」と叩く手法の浅薄さ 包丁という道具そのものに罪はありません。使い手が料理を作るのか、人を傷つけるのかだけの話です。 保険や金融商品も全く同じです。顧客のライフプランや資産状況を無視して売りつけられた商品は毒になりますが、構造を熟知したプロが正しく仕立てた商品は、顧客とその家族の人生を危機から救う「最強の防具」になります。 それにもかかわらず、仕組みの深層を理解しようともせず「保険=悪」と一括りに

栗原 正明(CFP)
10月13日読了時間: 3分


iDeCoの掛金上限額が2027年1月から最大2.7倍に――武蔵野市のFPが教える改正のポイントと今すぐやること
2026年12月1日、iDeCo(個人型確定拠出年金)の制度が大きく変わります。2027年1月の引落分から掛金の上限額が全加入者タイプで引き上げられ、特に企業年金のない会社員は月2.3万円から6.2万円へと約2.7倍の大幅拡大となります。 私は武蔵野市・吉祥寺を拠点とする独立系ファイナンシャルプランナー(CFP®)として、多くの方からiDeCoに関するご相談をいただいています。今回の改正は老後資金づくりにとって非常に大きなチャンスですが、2026年10月31日(土)という締切を知らずに機会を逃してしまう方が出ないよう、ポイントを整理してお伝えします。 改正の内容:職業別の新しい掛金上限額 2027年1月から適用される掛金上限額は以下の通りです。 企業年金のない会社員現行の月2.3万円(年27.6万円)から、月6.2万円(年74.4万円)へ引き上げ。増加額は月3.9万円・年46.8万円と、今回の改正で最も恩恵を受ける層です。 自営業・フリーランス(第1号被保険者)現行の月6.8万円から月7.5万円へ引き上げ。国民年金基金等との合計で月7.5万円が上

栗原 正明(CFP)
10月1日読了時間: 4分


【知らないと数百万の損】退職金規程を見ない会社員の罠|役職定年で老後資金が激減する理由
当事務所(FPオフィス ジェイワン)でライフプランのご相談をお受けする際、ご相談者に必ず確認する書類があります。それが、お勤めの会社の「就業規則」や「退職金規程」です。 しかし、大変多くの方が「自分の会社の退職金がどうやって計算されているか」「実際にいくらもらえるのか」を正確に把握していません。 「なんとなく退職金は1,500万円くらいもらえるだろう」 「基本給が高いから、退職金もそこそこ多いはず」 もし、このような感覚だけで老後資金の計画を立てているとしたら、将来、退職金振込口座の記帳をした瞬間に絶望することになるかもしれません。 今回は、中小企業を中心に今なお多く残る「退職金制度の落とし穴」と、会社員が今すぐ自分の社内規定をチェックすべき理由を解説します。 1. 大半の会社員が「会社のルール(規定)」を見ていないという事実 FP実務の現場で「会社の退職金規程を見せていただけますか?」とお尋ねすると、約8割の方が「どこにあるか分からない」「入社時に見て以来、一度も開いたことがない」とおっしゃいます。 社内ポータルサイトや総務の棚に保管されている

栗原 正明(CFP)
9月14日読了時間: 4分


【外貨建て変額型個人年金保険の闇】吉祥寺で「ほけんの窓口」「マネードクター」に勧められたら絶対に知っておくべき真実
武蔵野市・吉祥寺の当事務所(FPオフィス ジェイワン)には、最近ある特定の「セカンドオピニオン相談」が急増しています。 それは、「吉祥寺駅近くの『ほけんの窓口』や『マネードクター』などの無料保険相談ショップで、『外貨建て変額型個人年金保険』を勧められたのですが、本当にこれで老後資金を増やせるのでしょうか?」というご相談です。 「外貨の高い金利」と「世界株などの投資運用」を掛け合わせ、一見すると「最強の老後資金づくり」のようにセールスされるこの商品。しかし、FP実務の現場から言わせてもらえば、この商品には構造的な「三重の闇」が潜んでいます。 なぜ無料相談ショップはこぞってこの商品を推すのか、そしてなぜ多くの人が契約後に後悔するのか。金融商品を一切販売しない完全独立型FPの視点から、その裏側を客観的・数値的に明かします。 1. なぜ無料ショップは「外貨建て変額保険」を強力に推すのか? 答えは至ってシンプルです。「代理店に支払われる販売手数料(バックマージン)が桁違いに高いから」です。 無料保険シforeign-currency-variable-an

栗原 正明(CFP)
9月13日読了時間: 5分


武蔵野市・吉祥寺で住宅購入を考える方へ――FPが教えるローン選びの3つの落とし穴
吉祥寺・武蔵野市エリアは、子育て世代に人気の住宅エリアとして知られています。井の頭公園や充実した商業施設、都心へのアクセスの良さから、30〜40代のファミリー層を中心に住宅購入の相談が年々増えています。 私は武蔵野市・吉祥寺を拠点とする独立系ファイナンシャルプランナー(CFP®)として、金融商品を一切販売しない立場から、多くの住宅購入相談をお受けしてきました。その経験の中で、同じ「落とし穴」に何度も出会ってきました。今回はその代表的な3つをお伝えします。 落とし穴① 変動金利の上昇リスクを「なんとかなる」と思っている 2020年代前半まで、住宅ローンの変動金利は0.3〜0.5%台が当たり前でした。多くの方がこの低金利を前提に返済計画を立てていましたが、2026年現在、変動金利は1%を超える水準まで上昇しています。 例えば、借入3,000万円・35年返済の場合、金利が0.5%から1.5%に上がると、月々の返済額は約7,700円から約9,300円へと増加します。月額では1,600円の差に見えますが、年間では約2万円、35年間では約70万円の差になりま

栗原 正明(CFP)
9月6日読了時間: 4分


【毎日新聞デジタル掲載】「親の年収で子供の人生が決まるのは間違っている」——記者と激論した中学受験のリアル
中学受験に親の年収は関係ない」記者と激論した理由|毎日新聞取材裏話【FP栗原】先般、毎日新聞社より取材を受け「中学受験にかかる教育費と家計防衛」に関するコメント記事が掲載されました。有料記事のため読めなかった方々からの反響も大きかったため、今回は紙面に収まりきらなかった取材現場での「記者との激論の裏側」と、私が一番伝えたかったメッセージをお伝えします。 「年収格差」でストーリーを作りたがる記者とのバトル 取材中、キャッチーな記事を作りたい記者の方は、住宅ローン高騰や物価高を引き合いに出し、「結局、親の年収格差が中学受験の可否や格差に直結するのではないか」という文脈に執拗にこだわっていました。 しかし、私はその見方に真っ向から反論し、こう言い張りました。 「しっかりとした早期の準備さえあれば、中学受験に親の年収は関係ありません!」 記者の方は驚いていましたが、これこそが独立系FPとして私が最も伝えたい譲れない信念です。 「親の毎年の年収の多寡によって、子供の挑戦や人生の選択肢が決まってしまうことだけは、絶対にあってはならない」と強く思っているからで

栗原 正明(CFP)
8月21日読了時間: 3分


「教育資金の一括贈与」終了に寄せて——デジタル時代の決済と放置された税法のギャップ
「教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税制度」の終了が決まりました。この制度の終了自体よりも、信託銀行の手続きの煩雑さなどが改善され、現代のキャッシュレス社会に即した「誰もが使いやすい制度」へと進化することなく姿を消してしまう点に、現場のFPとして強い口惜しさを覚えます。 「都度贈与なら非課税」という原則の現実味 税法の原則(相続税法第21条の3)では、入学金や授業料、塾代など「教育費を必要なその都度、祖父母が支払う分にはもともと非課税」とされています。一括贈与制度がなくなっても、このルールがあるため「問題ない」と説明されることが少なくありません。 しかし、現代の決済インフラにおいて、この原則をそのまま実行することは極めて困難です。 現在、学校の授業料や塾代の多くは「親名義の口座からの自動引き落とし」や「クレジットカード決済」が主流です。かつてのように祖父母が紙の振込用紙を持って銀行窓口へ行き、直接支払える機会は大学の初年度納付金などごく一部に限られています。 親口座を経由する精算に潜む「税務リスク」 では、親の口座から引き落とした後、祖父母か

栗原 正明(CFP)
8月17日読了時間: 2分
知らないと数百万円の差!?住宅購入で絶対に使いたい「補助金・助成金」の賢い裏ワザ
マイホームの購入を検討する際、物件価格や住宅ローンの金利ばかりに目が向きがちですが、実は「国や自治体の補助金・助成金」を正しく活用できるかどうかで、手元に残る資金が数百万円単位で変わってくることをご存じでしょうか? 特に「子育て世帯」や「省エネ性能の高い住宅(長期優良住宅など)」を購入される方は、使える優遇制度が目白押しです。今回は、住宅購入時に絶対に押さえておくべき主要な補助金と、還元額を最大化させるための秘訣をわかりやすく解説します! 1. 国の補助金制度:「みらいエコ住宅2026事業」 対象: 子育て世帯・若者夫婦世帯など(省エネ性能の高い新築住宅の取得) 補助額の目安: 最大80万円〜125万円/戸(住宅の省エネ性能ランクに応じる) ポイント: 国が実施する最新の省エネ住宅取得支援事業です。耐久性や耐震性に優れた「長期優良住宅」の認定を取得することで、手厚い補助金を受け取ることができます。 2. 自治体独自の補助金制度(例:東京都の「東京ゼロエミ住宅」) 対象: 地域独自の断熱・省エネ基準を満たす住宅の新築・購入 補助額の目安:...

栗原 正明(CFP)
8月2日読了時間: 3分
経営者が認知症になると銀行口座はどうなる?今すぐできる準備とは
先日、福島にて経営者や個人事業主の皆様向けにセミナーでお話しさせていただきました。 ご参加いただいた皆様が一番真剣な眼差しで耳を傾けていらっしゃったのが、「経営者が認知症になった場合の銀行口座凍結」についてです。 「認知症による口座凍結」と聞くと、多くの方は「高齢者の老後資金の話でしょ?」と思われがちです。しかし、これが個人事業主や中小企業の経営者となると、話の深刻度がまったく変わってきます。 ■ なぜ「たった2週間の口座凍結」で事業が止まるのか? 金融機関は、口座保有者の判断能力が低下したことを把握すると、ご本人の財産を守るために即座に口座を凍結します。 もし、経営者(または個人事業主)の口座が凍結されてしまうと、以下のような事態が同時に発生します。 取引先への振り込み・買掛金の支払いができない 従業員への給与支払いがストップする オフィスの家賃や光熱費、ローンの引き落としが落ちない 事業用資金であっても、ご家族すらお金を引き出せない これがもし「月末の決済日」を挟んでしまったらどうでしょうか? たとえ手続きや調整で「わずか2週間」の凍結だった

栗原 正明(CFP)
7月29日読了時間: 3分


【マイホームと税金】新築戸建て・中古マンションの固定資産税はどう決まる?「評価額」の仕組みと軽減特例をFPが分かりやすく解説
マイホーム(新築戸建て・中古マンション)を購入すると、毎年必ず発生するのが「固定資産税・都市計画税」です。 住宅ローンの返済計画を立てる際、「固定資産税は毎年どれくらいかかるのか?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。 ネットで調べると「路線価の80%」「建築費用の60%」といった様々な数字が出てきて混乱しがちですが、実生活における「税金の決まり方」の構造は、実はたったの3ステップで整理できます。 今回は固定資産税の計算の仕組みと、知っておくべき「軽減特例」について分かりやすく解説します。 1. 「物件の購入価格」と「固定資産税評価額」は全く別物! まず押さえておきたいのが、固定資産税は「あなたが家を買った価格(売買価格)」に対してかかるわけではない、という点です。 税金の計算基準となるのは、市区町村(東京23区は東京都)が個別に見積もった「固定資産税評価額」です。この評価額は、大まかに以下のような目安で決まります。 土地(宅地): 公示価格(国が示す地価の基準)の約70%が目安 (※相続税で使う「路線価」が公示価格の約80%なので、固定資

栗原 正明(CFP)
7月20日読了時間: 3分


【共働きの盲点】年収900万の夫と700万の妻、将来の厚生年金が「ほぼ同じ」になる理由
最近、当オフィスへのご相談で急増しているのが、ご夫婦ともに会社員としてキャリアを積まれている「パワーカップル」の皆様です。 ペアローンを組む際など、お互いの収入を開示して緻密なライフプランを立てる中で、多くのご主人が驚かれるポイントがあります。それが「将来もらえる厚生年金の額が、夫婦でほとんど変わらない(あるいは妻の方が多い)」という事実です。 「俺の方が年収が高いのに、なぜ?」 そこには、日本の年金制度における「780万円の壁」と、30代・40代特有の落とし穴が隠されています。 💡 意外と知らない、厚生年金保険料の「65万円上限」 会社員の厚生年金は、お給料が高くなればなるほど、将来もらえる年金額(報酬比例部分)が増える仕組みになっています。しかし、これには「上限」が設けられています。 毎月の社会保険料を計算する基準となる「標準報酬月額」の上限は、現在65万円(年額換算で780万円)となっています。 つまり、以下のような現象が起こります。 年収700万円の妻: 稼いだ分がほぼストレートに将来の年金額に反映される 年収900万円の夫:...

栗原 正明(CFP)
7月11日読了時間: 3分
【メディア掲載】AERA dot.特大特集『首都圏マンションが高すぎる』にて当オフィス栗原の解説記事が公開されました
この度、朝日新聞出版のニュースサイト「AERA dot.」のWEB連動特大特集『首都圏マンションが高すぎる』において、当オフィス栗原正明(CFP®認定者)の取材・解説記事が掲載されました。 昨昨今の首都圏マンション価格の異次元の高騰や、本格的な金利上昇フェーズへの移行を背景に、いま生活者が直面している「住宅ローンと家計のリアルなリスク」について、前・後編の2回にわたり独立系FPの視点から本音でお話しさせていただきました。 当オフィスへのご相談でも、以前は「どこを買おうか」という前向きな相談が多かったのですが、現在は「そもそも今の価格で我が家は買えるのか」という切実なご相談が全体の約8割を占めています。 本コラムでは、AERA dot.の取材の中でお伝えした核心部分を、さらに一歩踏み込んで解説いたします。 1. 世帯年収2,000万円超のパワーカップルを襲う「ペアローン婚」と中古マンションの罠 現在の都心の不動産市場を牽引しているのは、間違いなく「パワーカップル」と呼ばれる高収入の共働き世帯です。現在、東京でマンション購入を現実的に考えられる水準は

栗原 正明(CFP)
7月5日読了時間: 6分


【家計の全体最適】NISAの残高より大切なもの。住宅購入で激変する「家族全体のB/S(バランスシート)」と夫婦の連結決算
こんにちは。武蔵野市・吉祥寺を拠点に活動する独立系FPの栗原です。 前回のコラムでは、吉祥寺周辺での住宅購入で増えている「ペアローンと住宅ローン控除の罠」についてお話ししました。想像以上の大反響をいただき、多くのご夫婦が「良かれと思ってやっている部分最適」で損をしそうになっている現実を実感しています。 「つみたてNISAの評価額がいくらになった」「今月の生活費をいくら抑えた」 日常の家計管理でこうした数字に一喜一憂している方は多いでしょう。 しかし、企業の経営で言えば、これは「目先の売上(P/L=損益計算書)」だけを見ている状態です。会社の本当の体力や、将来の倒産リスク(破綻リスク)に気づくことはできません。 夫婦が真に豊かになり、人生の荒波を乗り越えるために本当に必要なのは、家計簿ではなく、家族全体の資産と負債を一望できる「B/S(バランスシート=資産負債表)」の視点です。 特に「マイホーム購入」というイベントは、人生最大の「B/Sの大地殻変動」であることをご存知でしょうか? 1. 住宅購入は、人生最大の「B/S地殻変動」である...

栗原 正明(CFP)
6月19日読了時間: 5分


ペアローンの落とし穴!「ふるさと納税」と「ライフプラン」の連動で損をしないための住宅ローン控除・全体最適戦略
こんにちは。武蔵野市・吉祥寺を拠点に活動する独立系FPの栗原です。 現在、吉祥寺周辺の新築マンションは1億円超、75㎡以上の中古マンションでも8,000万円超が当たり前の時代になりました。 これだけの物件価格になると、ご夫婦の収入を合算して「ペアローン」を組むケースが主流です。最近では女性のキャリアアップに伴い、ペアローンの按分比率が「7:3」や「6:4」、中には「5:5」というご家庭も増えています。 ネットで熱心に情報を集め、「団体信用生命保険(団信)のメリット」などを熟知されているご夫婦が多い一方で、実は「住宅ローン控除」の組み合わせ方で大損してしまっているケースが後を絶ちません。 今回は、ネット検索だけでは絶対に気づけない「ペアローン×住宅ローン控除の3つの罠」と、賢い出口戦略について解説します。 罠①:ネットの知識はあるのに「自分の源泉徴収票」を見ていない 住宅ローン控除は「年末のローン残高の0.7%」が戻ってくる大変お得な制度ですが、大前提として「自分が納めている所得税・住民税以上の金額は戻ってこない」というルールがあります。...

栗原 正明(CFP)
6月13日読了時間: 5分


2026年7月27日(月)、福島県の生衛業経営者セミナーに登壇します。
令和8年度「生活衛生同業組合役職員・経営特別相談員等研修会」にて、講師を務めることになりました。福島県内の生衛業(飲食・理容・美容・クリーニング・旅館ホテルなど)の経営者の方々を対象としたセミナーです。 ■ 開催概要 日時:2026年7月27日(月)13時35分〜15時30分(受付13時20分〜) 会場:コラッセふくしま 4F 多目的ホール(福島市三河南町1-20) 対象:生活衛生同業組合の役職員・経営者の方(参加費無料) 申込締切:2026年7月3日(金) ■ 講義テーマ お金の不安を『絶対の安心』に変える経営術 〜 一人で抱え込まない。次世代とデジタルへ託す"攻め"の権限移譲 〜 経営者の方が日々感じている「売上の波」「資金繰りの不安」「まさかの備え」といった漠然とした不安を、数字に変えて「やることリスト」にする。そのための考え方と具体的な対策をお伝えします。 当日は以下のテーマを中心にお話しします。 FPとは何か・どんな相談が多いか インターネット・AIを経営に本当の意味で活かす方法 認知症・相続・事業承継——経営者が守るべき2つの財産 ■

栗原 正明(CFP)
6月9日読了時間: 2分
【2027年新設】18歳未満も対象に!「こどもNISA」の誕生と、子育て世代が知るべき教育資金の「出口戦略」
2024年に新NISAがスタートして以降、多くの子育て世代のお客様からこのようなご相談をいただいていました。 「昔あった『ジュニアNISA』が終わってしまって、子ども名義でお金を貯める良い方法はありませんか?」 実は、そんな皆様に朗報となる大きな法改正が控えています。2027年1月より、18歳未満のお子様でも利用できる「新たなつみたて投資枠(通称:こどもNISA)」が新設される方針となりました。 今回は、この新しい制度の概要と、子育て世代が絶対に知っておくべき「家計の全体最適」について解説します。 1. 2027年スタート「こどもNISA」の概要 新しく導入される制度のポイントは、非常にシンプルです。 対象年齢: 18歳未満(0歳から利用可能) 年間投資枠: 年間 60万円(つみたて投資枠) 生涯投資枠: 最大 600万円 かつてのジュニアNISAのような「18歳まで原則払い出し不可」といった複雑な制限はなく、現行の新NISAの「つみたて投資枠」がお子様名義でも1階層広がるイメージです。 子どもが小さいうちから、時間を味方につけて複利効果を狙える

栗原 正明(CFP)
5月31日読了時間: 3分
「アパート建てれば相続税が減る」はもう古い。2027年から変わる、銀行が言わない不動産節税の新常識
「お父様の相続対策に、アパートの建築はいかがでしょう?」 銀行や不動産会社から、このような提案を受けたことがある方、あるいは親御さんがそういった話を持ちかけられている方は、少なくないはずです。 確かに、これまで「賃貸不動産を建てると相続税が下がる」という話は、あながち嘘ではありませんでした。路線価や借家権割合を使った評価方法により、現金よりも不動産の方が相続税の評価額が低くなる——そういう仕組みが長年使われてきたのです。 しかし2027年1月1日以降、その「常識」が大きく変わります。 何が変わるのか? 2026年度の税制改正大綱において、「貸付用不動産の評価方法の見直し」が決定しました。 簡単に言うと、相続が発生する5年以内に取得・新築した賃貸不動産については、従来の路線価評価ではなく「時価(通常の取引価額)」で評価するというルールになります。 これまでは、たとえば5,000万円で建てたアパートが相続税の計算上2,000万円の評価になる、ということも珍しくありませんでした。この「圧縮効果」こそが節税の肝だったわけです。 しかし新ルールでは、相続発

栗原 正明(CFP)
5月19日読了時間: 3分
退職金運用の「年利10%」に隠された、少し意外な算数の話
退職金という人生の大きな節目のお金が口座に入ると、銀行から「特別プラン」の提案を受けることがあります。中でも目を引くのが、「定期預金と投資信託をセットで申し込むと、預金の利息が3ヶ月間だけ年利10%(税引前)になる」といったセット商品です。 「今の時代に10%!?」と驚かれるかもしれませんが、実はここにはFPの視点で見ると見逃せない「コストの仕組み」が隠れています。 ● 「もらえる利息」と「払う手数料」を比べてみると… 例えば、1,000万円をこのプランの定期預金に預けた場合、3ヶ月間で受け取れる利息(税引後)は約19万9千円です。これだけ見れば、非常に魅力的なボーナスに思えます。 しかし、セットで購入する「投資信託」の方に目を向けてみましょう。銀行の窓口で販売されている投資信託には、一般的に2.2%〜3.3%の購入手数料がかかるものが多く存在します。(FPの視点で言えば、手数料が一切かからない『ノーロード』の商品がこのプランの対象外となっている点にも、十分な注意が必要です) 仮に手数料が比較的低めの2.2%だったとしても、1,000万円分購入し

栗原 正明(CFP)
4月28日読了時間: 2分
「DC移行」を検討中の経営者へ。あえて今、DB(確定給付)を残すべき3つの理由——iDeCo拡充が変える退職金制度の「正解」と、制度に潜む「まやかし」
「今のDB(確定給付年金)は利回りが低すぎて、社員に申し訳ない……」 「世の中の流れに合わせて、社員が自分で運用できるDC(確定拠出年金)に切り替えるべきではないか?」 退職金制度の見直しを検討されている経営者の方から、最近このようなご相談を多くいただきます。FPとして、私はあえてここで「DC移行、ちょっと待ってください」と申し上げたいです。 今後iDeCoの拠出枠が大幅に拡大される今だからこそ、「会社が守るDB」と「個人が攻めるiDeCo」の組み合わせが、中小企業にとって良質な布陣になるのです。 1. DBは「利回り」を競うものではなく、「安心の床」である 従業員から「もっと増やせるはずだ」という不満が出ると、経営者はつい申し訳なさを感じてしまいます。しかし、相場は常に良い時ばかりではありません。 会社が給付を保証するDBは、いわば「人生のセーフティネット」です。利回りが低くとも、退職時に「必ずこれだけは受け取れる」という確定した数字があることは、従業員の心理的な安定、ひいては本業への集中に直結します。その「確実な約束」こそが、経営者の誠実さそ

栗原 正明(CFP)
4月20日読了時間: 3分
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