【知らないと数百万の損】退職金規程を見ない会社員の罠|役職定年で老後資金が激減する理由


当事務所(FPオフィス ジェイワン)でライフプランのご相談をお受けする際、ご相談者に必ず確認する書類があります。それが、お勤めの会社の「就業規則」や「退職金規程」です。
しかし、大変多くの方が「自分の会社の退職金がどうやって計算されているか」「実際にいくらもらえるのか」を正確に把握していません。
「なんとなく退職金は1,500万円くらいもらえるだろう」 「基本給が高いから、退職金もそこそこ多いはず」
もし、このような感覚だけで老後資金の計画を立てているとしたら、将来、退職金振込口座の記帳をした瞬間に絶望することになるかもしれません。
今回は、中小企業を中心に今なお多く残る「退職金制度の落とし穴」と、会社員が今すぐ自分の社内規定をチェックすべき理由を解説します。
1. 大半の会社員が「会社のルール(規定)」を見ていないという事実
FP実務の現場で「会社の退職金規程を見せていただけますか?」とお尋ねすると、約8割の方が「どこにあるか分からない」「入社時に見て以来、一度も開いたことがない」とおっしゃいます。
社内ポータルサイトや総務の棚に保管されているものの、日々の業務に追われ、自分の退職金の計算ルールまで確認していないのが現実です。
しかし、住宅ローンの返済計画や60歳以降の生活設計(ライフプラン)において、退職金は「最大の資金源」です。計算式一つで数百万円単位のズレが生じる重要書類を一度も確認していないのは、金額のわからない契約書にサインをして過ごしているのと変わりません。
2. 今なお残る「最終基本給連動型」の恐ろしさ
現在、大企業では「ポイント制(過去の役職や評価の累積)」や「確定拠出年金(DC)」への移行が進んでいますが、中小企業(従業員数300人以下規模)では今なお「退職時の基本給 × 勤続年数係数」という旧来の計算方式を採用している企業が3〜4割存在します。
一見するとシンプルな計算式ですが、ここには「50代後半での給与減額」がそのまま退職金の激減に直結するという極めて大きなリスクが潜んでいます。
【事例】役職定年で退職金が450万円吹き飛ぶ仕組み
例えば、「退職時の基本給 × 勤続年数30年 × 1.0」という退職金規程の会社で、55歳まで基本給50万円だったAさんのケースを考えてみましょう。
役職定年がない(または保全される)場合
基本給50万円 × 30年 = 退職金 1,500万円
55歳で役職定年となり、基本給が30%カット(35万円)された場合
基本給35万円 × 30年 = 退職金 1,050万円
長年会社に貢献してきたにもかかわらず、直近数年間の「役職定年による給与ダウン」に引っ張られる形で、退職金が450万円も減額されてしまうのです。老後資金として1,500万円を見込んでいたライフプランは、一瞬にして崩壊します。
3. 「額面給与の高さ」に騙されてはいけない
もう一つの罠が、「基本給」と「手当」のバランスです。
毎月の額面給与が60万円あっても、内訳が「基本給25万円 + 役職手当15万円 + 業務手当20万円」となっているような会社は珍しくありません。
退職金の計算式が「基本給」をベースにしている場合、いくら役職手当や業務手当を多くもらって毎月の収入が高くても、退職金の計算には一切反映されません。「額面が高いから退職金も多いはず」という思い込みは非常に危険です。
4. 今すぐ会社の退職金規程で確認すべき「3つのチェックポイント」
老後資金の試算ミスを防ぐため、今すぐ自社の退職金規程を取得し、以下の3点を確認してください。
計算式のベースは何か?
「最終基本給」連動型か、「ポイント制」か、「確定給付/確定拠出年金」か。
「ピーク時保全規定」はあるか?
役職定年等で基本給が下がった際、「給与が下がる前の最高基本給を算定基礎とする」といった労働者を守る救済条項(保全規定)が入っているかどうか。
自己都合退職と会社都合退職の支給倍率
60歳定年前に早期退職や転職をする場合、支給倍率(係数)がどれくらい割り引かれるか。
正しい数字を知ることが、老後破綻を防ぐ第一歩
自社の退職金規程を確認し、本当にもらえる退職金の姿が浮かび上がったとき、「思っていたより数百万円少なかった」と気づく方は少なくありません。
しかし、50代前半までにその事実に気づくことができれば、十分に対策は可能です。 新NISAなどを活用した自前での資産形成を前倒しでスタートさせたり、60歳以降の働き方や住居費の見直しを早めに行うことで、老後資金の不足分を確実に補填できます。
FPオフィス ジェイワン(武蔵野市・吉祥寺)では、ご相談者のお勤め先の退職金規程や各種社内規定を読み解き、税金や社会保険料の控除まで考慮した「手取りベースでのリアルな将来キャッシュフロー表」を作成しています。
「うちの会社の退職金、実際いくらになるんだろう?」と疑問に思われた方は、ぜひ一度、就業規則や退職金規程をお持ちのうえ、当事務所のセカンドオピニオンをご利用ください。




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