令和8年分の年末調整は何が違う? 「課税対象金額」から考える節税の第一歩


朝晩の冷え込みが増し、年末調整の書類が届く季節になりました。今年(令和8年分)の年末調整は、例年と少し事情が異なります。所得税の仕組みがいくつか改正され、その影響が12月にまとめて反映されるためです。
吉祥寺でファイナンシャルプランナーをしております栗原です。今回は、年末調整で見直したいポイントと、ご自身の税率を知る方法をお伝えします。
今年の年末調整が例年と違う理由
令和8年分では、主に次の点が変わりました。
基礎控除の引き上げ
給与所得控除の最低保障額の引き上げ(65万円→74万円)
配偶者や扶養親族の所得要件の引き上げ(給与収入の目安で136万円以下)
19〜22歳のお子さまに関わる「特定親族特別控除」の新設
23歳未満の扶養親族がいる場合の、生命保険料控除の特例
大切なのは、11月までの毎月の天引きは変わらず、12月の年末調整で、改正後の金額にまとめて精算されることです。申告書の記入内容が、そのまま精算結果に影響します。
記入前に確認したい3つのポイント
1. 扶養親族の所得見込みを、今年の基準で判定し直すパートやアルバイトの収入がある配偶者やお子さまは、今年の収入見込みで、扶養に入るかどうかを確認します。
2. 19〜22歳のお子さまの収入を確認するアルバイト収入が一定額を超えても、おおむね197万円(給与のみの場合)までは、特定親族特別控除を受けられる場合があります。
3. 控除証明書を揃える生命保険料、地震保険料、iDeCoや小規模企業共済の掛金などは、証明書がないと申告できません。秋に届く書類ですので、紛失していないか、早めに確認しましょう。
源泉徴収票に載っていない「課税対象金額」
実は、源泉徴収票には、課税される所得の金額が記載されていません。
給与所得控除後の金額 − 所得控除の額の合計額 = 課税対象金額
この金額に応じて、所得税率が5%から45%まで決まります。たとえば課税対象金額が330万円を超えると、所得税率は20%です。ここに住民税の約10%が加わります。つまり、課税対象金額の一番上の部分には、合わせて約30%の税金がかかっていることになります。
年収600万円の会社員(社会保険料は年収の15%と仮定、扶養家族などなし)の場合、令和8年分のルールでは、令和7年分のルールと比べて、所得税が約3.7万円少なくなる目安です。
節税の第一歩は、iDeCo
課税対象金額を小さくできる、代表的な方法がiDeCoです。掛金は全額が所得控除になります。
たとえば課税対象金額が242万円の方が、月2.3万円(年27.6万円)を拠出すると、所得税と住民税を合わせて、年間約5.6万円の節税となります。2027年1月分の掛金からは、拠出限度額も引き上げられます。
ただし、iDeCoは原則60歳まで引き出せません。ご自身の資金計画との兼ね合いで、無理のない金額を決めることが大切です。なお、手続きの流れは金融機関ごとに異なります。たとえばSBI証券のe-iDeCoは、書面での手続きの後、12月1日以降にオンラインでの変更手続きとなります。
年末調整でできないこと
医療費控除や、ふるさと納税(ワンストップ特例を使わない場合)、副業の収入などは、年末調整では手続きできません。確定申告が必要かどうかも含め、個別の事情により扱いが異なりますので、別途ご相談ください。
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※ 本記事の試算は、給与所得のみの方を想定した概算です。個別の税務判断は、勤務先・税務署・税理士にご確認ください。
FPオフィス ジェイワン 栗原 正明(CFP® / 1級FP技能士 / J-FLEC認定アドバイザー)




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