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退職金運用の「年利10%」に隠された、少し意外な算数の話 

  • 執筆者の写真: 栗原 正明(CFP)
    栗原 正明(CFP)
  • 4月28日
  • 読了時間: 2分

退職金という人生の大きな節目のお金が口座に入ると、銀行から「特別プラン」の提案を受けることがあります。中でも目を引くのが、「定期預金と投資信託をセットで申し込むと、預金の利息が3ヶ月間だけ年利10%(税引前)になる」といったセット商品です。

「今の時代に10%!?」と驚かれるかもしれませんが、実はここにはFPの視点で見ると見逃せない「コストの仕組み」が隠れています。


● 「もらえる利息」と「払う手数料」を比べてみると…

例えば、1,000万円をこのプランの定期預金に預けた場合、3ヶ月間で受け取れる利息(税引後)は約19万9千円です。これだけ見れば、非常に魅力的なボーナスに思えます。

しかし、セットで購入する「投資信託」の方に目を向けてみましょう。銀行の窓口で販売されている投資信託には、一般的に2.2%〜3.3%の購入手数料がかかるものが多く存在します。(FPの視点で言えば、手数料が一切かからない『ノーロード』の商品がこのプランの対象外となっている点にも、十分な注意が必要です)

仮に手数料が比較的低めの2.2%だったとしても、1,000万円分購入した瞬間に支払う手数料は22万円です。

  • もらえる利息: +約20万円

  • 払う手数料(2.2%の場合): △22万円

  • 差し引き: マイナス2万円

つまり、お得だと思って始めたはずが、スタートラインに立った瞬間に利息以上のコストを支払っている、という計算になります。

● 3ヶ月が過ぎたあとのことも大切

さらに注意したいのは、高金利の定期預金は「最初の3ヶ月だけ」だということです。期間が過ぎれば通常の低い金利に戻りますが、投資信託にはその後もずっと「信託報酬(保有コスト)」という維持費がかかり続けます。

こうしたセット商品は、いわば「高い手数料の商品を購入してもらうための、銀行側の広告費」という側面があります。

● 「自分にとっての最適」を見極めるために

もちろん、その投資信託がプロの手厚い管理を必要とする納得の内容であれば問題ありません。ですが、「金利がお得だから」という理由だけで選ぶのは、少しもったいないかもしれません。

今はインターネット証券などを活用すれば、同じような投資信託を「購入手数料0円」で選べる時代です。

せっかくの退職金。表面的な数字のインパクトに惑わされず、「どこに、いくらコストを払っているのか」を一度立ち止まって確認してみませんか?

大切なのは、銀行にとっての良い商品ではなく、あなたの「これからの生活(QOL)」を豊かにしてくれる商品を選ぶことです。もし判断に迷われたら、ぜひ私たちのような独立した専門家にご相談ください。

 
 
 

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