その「口約束」は法律違反かもしれません。フリーランス新法で見抜く「誠実な取引先」と「リスクのある会社」の境界線 New!!
- 栗原 正明(CFP)

- 1 日前
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ビジネスの「当たり前」がアップデートされている
先日投稿した「振込手数料の差し引き」に関する記事に、通常の14倍を超える非常に大きな反響をいただきました。
その「口約束」は法律違反かもしれません。フリーランス新法で見抜く「誠実な取引先」と「リスクのある会社」の境界線多くのフリーランス・個人事業主の方が、「商慣習だから」と諦めていたことに対して、今の法律やルールはどうなっているのか、という点に強い関心を持たれていることを痛感しています。
今回は、その「振込手数料」の問題とも密接に関係する、「フリーランス新法(特定受託事業者併走法)」について、施行から1年以上が経過した今だからこそお伝えしたい「実務上の活用法」を解説します。
法律は「戦うため」ではなく「見極めるため」にある
FPとして多くのフリーランスの方の相談を受けて痛感するのは、「法律を盾に交渉するのは、仕事を失いそうで怖い」という切実な悩みです。
しかし、この法律を「相手を問い詰める武器」ではなく、「その取引先が、あなたを対等なビジネスパートナーとして見ているかを測るリトマス試験紙」だと捉え直してみてください。
新法が定める義務は、ビジネスとして極めて基本的なことばかりです。これらを遵守しようと努める企業は、あなたの専門性を尊重し、長く付き合う価値のある「誠実な取引先」といえます。
現場でチェックすべき「3つのコンプライアンス」
新法において、発注側(特定業務委託事業者)が守るべきルールのうち、特にトラブルになりやすいのは以下の3点です。
書面(メール等)による取引条件の明示義務 「まずは進めて、金額は後で」という口約束は、現在は明確に禁止されています。後からの買い叩きや、「そんな依頼はしていない」というトラブルを防ぐための最低限のルールです。
報酬支払期日の設定(60日ルール) 報酬は、納品物を受領した日から60日以内に支払わなければなりません。「うちは3ヶ月サイクルだから」という自社ルールの押し付けは認められません。支払いの遅れは、フリーランスにとって死活問題であるキャッシュフローの悪化を招きます。
不当な給付内容の変更・やり直しの禁止 発注者の都合による突然のキャンセルや、当初の範囲を超えた無償の修正依頼。これらも「優越的地位の乱用」として厳しく制限されています。
角を立てずに「プロの仕事」として確認する方法
もし、取引条件が曖昧なまま進みそうな場合は、感情的にならず、あくまで「事務的な確認」として以下のフレーズを活用してみてください。
「当方の事務管理およびコンプライアンスチェックの観点から、今回の取引条件を一度メールにて残させていただきたく存じます。お手数ですが、ご確認いただけますでしょうか」
「法律を守れ」と迫るのではなく、「自分のビジネスを適正に管理するために必要である」というスタンスを取ることで、相手の機嫌を損ねることなく、プロとしての権利を守ることができます。
持続可能な事業運営のために
フリーランスとして事業を継続していくためには、高い専門性だけでなく、適切な「契約」と「キャッシュフロー」の管理が不可欠です。
フリーランス新法というルールを理解しておくことは、自分を守るだけでなく、質の高い仕事に集中できる環境を整えることに直結します。
もし、現在の取引条件に不安がある、あるいは交渉の仕方に悩んでいるという場合は、一人で抱え込まずに、ぜひ一度ご相談ください。健全な取引環境こそが、あなたの事業の成長を支える土台となります。

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