ミュージシャンの方々に良く質問されるのに、
「会社にした方が得なのかなぁ?」というものがあります。
多分皆さんも仕事が増えてきて、ギャラ収入が増えてくると、
一度は考えたことがあるのではないでしょうか?
私の結論から言いますと、法人なり(個人事業から法人に変更する
ことを「法人なり」と言います)はデメリットも多いので、
まずはしっかりと個人事業主として “青色申告者” になるべきだと
思います。
確定申告時にただ申請しているだけの人を “白色申告者”と言い、
税務署に「個人事業の開業届」と「青色申告承認申請書」を
提出することによって、無事 “青色申告者” の権利を得ます。
この“青色申告者” は白色に比べて、かなりメリットが大きいです。
まず一番は「青色申告特別控除」です。これは確定申告時に、
55万円(電子申請e-Taxから申告すれば65万円)を控除出来ます。
源泉税を還付したい個人事業主にとっては、この65万円は大きいです。
必要経費に認められる楽器を65万円購入したのと同じ税制価値が
あるのですから・・・。
なお“青色申告者”として認められるには、いくつか条件があります。
簡単にお伝えすると、毎年の会計に関する帳簿や総勘定帳、
固定資産台帳等をしっかりと作成し、保管する義務があります。
この部分がミュージシャン等個人事業の方には、とっつきにくい
面倒な部分で敬遠したくなるのと、また税理士に丸投げすると、
それなりの税理士報酬を取られてしまうので、つい後回しになって
しまっている方もいると思います。
ただ確かに数年前までは自分で作成するのは面倒くさいものでは
あったのですが、現在はfreeeやMoney Forward等、かなり簡易に
会計管理ができるクラウドソフトがありますので、
日々の会計処理も含めかなりとっつきやすくなっていると思います。
(もちろん確定申告時の青色申告用書類も作成できます)
控除の他には、赤字を3年間繰越できる“繰越控除”及び、
今年の赤字を昨年に戻す“繰り戻し還付”が出来るのも大きいです。
どういうことかというと、例えば前年はもうけが200万円あったので、
20万円の所得税を納めていたとします。
ところが今年はコロナの影響もあり、諸々経費等を計上すると
トータル50万円の赤字になってしまったとします。
白色申告だとこの赤字は赤字で終わりなのですが、青色申告者は
前年に戻して、前年の200万円のもうけから、今年の50万円の
赤字を引くことができます。そうすると前年のもうけは150万円に下がり、
税金も75,000円に下がります。(※195万円以下の所得税率は5%)
これにより前年納付済みの20万円の税金から、20万円ー75,000円=
125,000円が今年の確定申告時に還付されることになります。
会社員と違って、毎年の収入格差がある可能性が高いミュージシャンや
アーティストの方々には、この赤字の繰り戻しはかなりメリットが
あると思います。
以上の他にもメリットは多々あり、会計書類の作成保管義務はありますが、
そんなに高いハードルではないので、まだ“白色申告者”の方は、
この機会に“青色申告者”に変更することを、強くお勧めします!
個人事業主の“青色申告者”をしばらく続けてみて、その上で
例えばスタッフを何人か雇用する必要が出てきたり、
外部にオフィスを借りたりする必要が出てきた折に、
“法人なり” を検討するのが良いかと。
わかりにくい部分があれば、このサイトより私にお問い合わせください!
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